【惜別】最後のNSX、タイプSに試乗。生まれも終わりも早すぎた哀切のスーパースポーツ
掲載 carview! 文:山田 弘樹/写真:市 健治 114
掲載 carview! 文:山田 弘樹/写真:市 健治 114
とはいえNSXが一番その本領を発揮するのは、もちろん一人の時間だ。
アップダウンがあり、ミドルコーナーとタイトコーナーがほどよく入り交じる西伊豆のワインディングでは、NSXがようやくその本性を少しだけ見せてくれた。
3.5リッターのV型6気筒ツインターボは、それが過給器付きエンジンであることを意識させないほどスムーズに回る。そこには過給圧上昇までのプロセスをモーターがアシストする効果が高いようで、エレクトリックブーストが過剰に加速を後押しするという印象はない。ターボゆえそのサウンドは低中音域こそ勇ましいが、高回転での炸裂感はない。しかし、レブリミットまできっちりと回りきる。
似ているな、と思うのはホンダのバイクだ。まるでモーターのように吹け上がるあの、ある種無味乾燥とも言える冷徹さ。これをまさに、モーターも使って実現しているというわけだ。
そしてこれを支えるSH-AWDの制御と、シャシーバランスにも変化を覚えた。相変わらず驚かされるのは、回り込んだコーナーでの走りだ。そして曲率が上がれば上がるほど、その旋回性能が高まっていく。稚拙な表現で恐縮だが、その走りはミッキーマウス的で、“クルクルクルクルッ”とその巨体が小回りする。
フロント2輪を別々のモーターで駆動するSH-AWDは、19年モデルからその制御がより自然なものとなったが、今回さらに改良が加えられたようだ。ターンインでは左右輪のトルクベクタリングを若干効かせながら鋭いターンインを実現し、ターンミドルではその協調性を弱めてミッドシップ本来のヨー慣性モーメントで旋回。そしてアクセルオンではAWDの駆動力をもって、アペックスから力強く立ち上がるという寸法だ。
個人的には、ミドルレンジ以上のコーナーでもう少しだけ、軽やかに旋回できたら……と感じた。サーキットのような高負荷領域であればちょうどよい荷重バランスなのかもしれないが、ワインディングレベルではターンミドルからアクセルを踏み始めると、早めに前輪がプッシュされてしまう。
もちろんそれは、贅沢な注文だ。ミッドシップらしい回頭性と、AWDによる安定性の両立は、矛盾をはらんだ壮大なテーマでそのバランスが難しい。だからこそNSXには、ミドシップスポーツへの回答を追い続けて欲しかった。現状では、曲がり込んだコーナーほど運転が楽しい。
それより気になったのは、ブレーキの制御だった。回生ブレーキの影響か、カーボンセラミックローターの適正温度領域がもっと高次元なのか。タッチは一見ソリッドで良いのだが、肝心な制動距離が合わせにくく、これもリズムを作りにくい要因になっている。
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